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2025.09.30 採用活動のタテマエとホンネ 第2章ー新卒採用の場合

第1章では「はじめに」ということで、今回は「新卒採用の場合」について
この場で述べてみたいと思います。

新卒採用は、企業にとって「未来への投資」と言われます。特に外資系企業では、
表向きには「多様性の尊重」「学歴や性別を問わない」「経験よりポテンシャル重視」と
いったタテマエを掲げることが多く、求職者にとっては魅力的に映ります。
たしかに、ダイバーシティや公平性は本社方針として厳しく求められており、形式的な基準は
整備されています。しかし、現場レベルでは、実際の判断に「ホンネ」が混ざることを
理解しておく必要があります。

たてまえ:ポテンシャル重視と多様な価値観の歓迎

外資系の説明会では、「皆さんの将来性を信じています」
「多様なバックグラウンドこそイノベーションを生む」と強調されます。
これはウソではありません。世界中から集まる人材と協働し、イノベーションを推進するためには、
多様な価値観を受け入れる姿勢が不可欠です。また、新卒一括採用を行う日本市場では、他国よりも
「ポテンシャル採用」の色合いが強いのも事実です。

本音:即戦力志向とカルチャーフィット

現場のマネージャーや面接官が密かに重視しているのは、「早く成果を出せるか」「文化に適応できるか」
という点です。海外とのオンラインミーティングで臆せず発言できる英語力、ロジカルな説明力、
チームプレイを円滑に進める協調性などが選考で重視されます。

いっぽう日系企業では、そこまで即戦力志向ではない、というのが実際です。
雇用の流動化といわれて久しいですが、それでもこの30年の「失われた」時間に
企業も学生も、「保守的」や「内向き」になりつつあります(回帰)。
そのため、ビジネスマナーやコミュニケーション、協調性が重視される例もままあります。

こんな事例もある:私服指定のはずが正装を求められたケース

ある学生は「次回は私服でお越しください。あなたの普段の姿を見たいので」と案内され、
私服(普段着)で面接会場を訪れました。しかし、当日の待合室で
「正装ではないので、本日はここまでです」と告げられ、面接に臨めないまま帰されたのです。
これはまさしく「文化的な暗黙の期待」が原因でした。
このような事例を知っておくことで、企業の本音を見抜く感度が養われます。

求職者への具体的アドバイス:

1.実績と行動をセットで語る準備をする(STAR法など):話したいことのキーワードを羅列した
ペーパーを用意して覚えこむ

2.異文化への適応力を具体的にアピール:日系企業の場合は、組織内での役割などを述べるとよい

3.企業文化をリサーチ:インターネットや会社四季報、企業説明会を活用する

といったことに注意すればよいと思います。次回は「中途採用のタテマエとホンネ」について
書いていきたいと思います。