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2025.10.30 採用活動のタテマエとホンネ 第4章ー本音を見抜くための実践テクニック
採用活動では、企業が掲げるたてまえと現場の本音が一致しないことがあります。
特に外資系企業では、グローバル基準とローカル文化のはざまで曖昧な部分が生まれやすいのが実情です。
ここでは、私が人事として見てきた「企業の本音を見抜くための実践的な方法」を紹介します。
まず大切なのは、情報を多面的に集めることです。公式サイトは理想を描いた“名刺”のようなもので、
実態は社員の声や口コミに現れます。社員インタビューやSNS投稿、転職サイトのコメントなどを
突き合わせると、現場と経営層の温度差が浮かび上がることがあります。幸い、いまはさまざまな情報源が
あるので、それらをしっかりと使い、情報収集するとよいでしょう。
次に有効なのが、面接での「逆質問」です。例えば「このポジションで成果を出すために、最も
苦労する点は何ですか?」と聞くと、企業が重視している課題や弱点を直接知ることができます。
誠実な企業は課題を隠さず答えますが、表面的な回答に終始する企業は、問題を共有する文化が
弱い可能性があります。
なお、日系、外資系問わず一番やってはいけないのは「質問はとくにありません」です。
また、質問は事前に最低5個以上用意していきましょう。逆にそれだけの質問が思い浮かばなければ、
あなたの企業研究が「不足」ということと理解しましょう。
また、面接官の“非言語的サイン”にも注目してください。候補者の発言に対してうなずきが少ない、
質問が形式的、笑顔が少ないといった場合、その部署が人手不足で余裕がない、または採用を形式的に
進めているだけという可能性もあります。
さらに、OB/OG訪問やLinkedInで現職社員に話を聞くこともおすすめです。
「この会社で活躍している人に共通する特徴は?」という質問をすると、企業が本音で評価している
ポイント(例:長時間労働を厭わない、積極的に自己主張する、など)が見えてきます。
最後に、自分の感覚を大切にしてください。オフィスの雰囲気や社員同士の距離感など、
説明されない部分に“企業文化の本質”が現れます。違和感を覚えたら、それは直感ではなく、
経験が発するシグナルです。
