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2026.01.14 採用面接のリアルー面接官と就職希望者は対等にあらず―
就職活動を経験したことのある方であれば、
「面接官と就職希望者は対等な関係である」という言葉に、どこか引っかかりを覚えたことが
あるのではないでしょうか。理屈としては理解できるものの、実際の面接の場では、
「本当にそうだろうか」と感じてしまう瞬間が少なからずあります。
採用面接において、就職希望者は評価され、合否を一方的に告げられる立場にあります。
限られた時間の中で、自分をどう伝えるかに神経を使い、言葉遣いや態度にも細心の注意を払います。
一方で、判断する側にいるのは企業であり、最終的な決定権は面接官側にあります。この構造自体が、
すでに両者が対等ではないことを示しています。
就職希望者は、面接当日までに入念な準備を重ねます。想定質問を考え、服装を整え、時間に余裕を
持って会場に向かう方がほとんどでしょう。「遅刻だけは絶対にできない」という強い緊張感を
抱いている方も多いはずです。実際、数分の遅刻であっても、評価に大きく影響する可能性があると
認識しているからです。
一方で、面接官が開始時刻に遅れてくるケースは、決して珍しくありません。
「前の会議が長引いてしまって」「少し立て込んでいて」と説明され、就職希望者が
待たされることもあります。面接官が遅刻しても、そのこと自体が問題視されることはほとんどありません。
しかし、もし就職希望者が同じように遅刻したらどうでしょうか。多くの場合、それは
「自己管理ができていない」「社会人としての意識が低い」と評価されてしまいます。
この違いこそが、採用面接における立場の非対称性を端的に表しています。
同様の違和感は、面接中の言動にも表れます。例えば、面接官がいわゆる「タメ口」で
質問をしてくるケースです。面接官側は「緊張をほぐすため」「フランクな雰囲気をつくりたい」という
意図かもしれませんが、就職希望者にとってはそう簡単ではありません。評価される立場にある以上、
「この話し方で大丈夫だろうか」「軽く扱われていないだろうか」と、不安を感じてしまうことがあります。
また、面接の途中で面接官が「疲れたので少し休憩したい」と言い出し、就職希望者が別室で
一時間ほど待たされる、というエピソードもあります。その一時間、就職希望者は評価を待つ立場のまま、
不安と緊張を抱えて過ごすことになります。
こうした経験を通じて、就職希望者は「この会社で本当に大丈夫だろうか」
「入社後も同じように扱われるのではないか」と考えるようになります。面接は本来、企業と就職希望者が
お互いを知る場であるはずですが、現実には、就職希望者が一方的に評価される場として感じられてしまう
ことも少なくありません。
採用面接において、面接官と就職希望者は、現実には対等ではありません。
だからこそ、就職希望者が感じた違和感を無理に押し殺す必要はないのです。その感覚は、
企業との相性を見極める重要な判断材料になります。
就職活動は、企業に選ばれるためだけのものではありません。
自分が安心して働ける場所を、自分自身で選ぶためのプロセスでもあるのです。
